「歳をとって『代謝』が落ちたから痩せなくなった、太った」という話をよく耳にします。
一般的に健康づくりにおいて、代謝とは「食べた物を分解や合成を繰り返して、エネルギーに変換すること」を指します。
代謝にはいくつか種類がありますが、よく会話にでてくる『代謝』という言葉のほとんどは「基礎代謝」を指している場合が多いように思います。
基礎代謝とは?
厚生労働省の作成する『日本人の食事摂取基準2015』において、基礎代謝とは「身体的・精神的に安静にしている状態でのエネルギー代謝量であり、生命維持だけに必要なエネルギー(生きるために最低限必要なエネルギー)」と定義されています。
つまり、心臓が動いて全身に血液を送ったり、呼吸をしたり、体温を保ったりするなど、寝ている間も含め24時間エネルギーを生み出す必要があり、これが基礎代謝です。
生きている限り、じっとしていても誰もが基礎代謝として最低限のエネルギーを必ず消費しています。
そして、この生命維持のために必ず消費しているエネルギー量(kcal)のことを「基礎代謝量」と言います。
基礎代謝量は1日で消費するエネルギー量の約60~70%を占めるとされています。
基礎代謝量の求め方
基礎代謝量は性別、年齢別の基礎代謝基準値(厚生労働省)をもとに算出することができます。
●男性の場合
18~29歳 → 24.0(kcal/kg)×体重(kg)
30~49歳 → 22.3(kcal/kg)×体重(kg)
50~69歳 → 21.5(kcal/kg)×体重(kg)
70歳~ → 21.5(kcal/kg)×体重(kg)
●女性の場合
18~29歳 → 23.6(kcal/kg)×体重(kg)
30~49歳 → 21.7(kcal/kg)×体重(kg)
50~69歳 → 20.7(kcal/kg)×体重(kg)
70歳~ → 20.7(kcal/kg)×体重(kg)
例えば、40歳女性で体重50kgの場合、
20.7(kcal/kg) × 50kg = 1,035kcalとなります。
計算式からも基礎代謝量は性別や年齢によって左右されることがわかります。
基礎代謝の性差や年齢差
基礎代謝が行われる身体の器官は脳や肝臓などの内臓、そして筋肉が中心です。
脳や内臓、筋肉の大きさに多少の性差はありますが、それぞれの器官の機能に違いはありません。
つまり、女性よりも男性の方がそれぞれの器官が大きいため、基礎代謝基準値にも差が出ています。
また、加齢により基礎代謝量が落ちていくことの1つ要因として、筋肉量の減少があります。
筋肉量の減少によって、安静時に筋肉で消費するエネルギーだけでなく、運動時のエネルギー消費量にも影響します。
そのため、筋肉量の維持は、基礎代謝量の低下を予防するだけでなく、運動時のエネルギー消費量を維持するためにも重要なことなのです。
まとめ
今回は、基礎代謝について解説しました。
普段何気なく使っている基礎代謝という言葉を理解し、さらに自分の基礎代謝量も計算して、知ることができたと思います。
基礎代謝量に運動や生活などによって消費したエネルギー量などを足し合わせると1日あたりの総消費エネルギー量となります。
そのため、総消費カロリーの中心となる基礎代謝量をまずは確認しておきましょう。
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